2016年8月28日日曜日

アフォーダンス(affordance)の誤用

【アフォーダンス(affordance)】
米国の知覚心理学者ジェームス・ギブソンによる造語。

アフォーダンスは、動物(有機体)に対する「刺激」という従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することができる意味/価値であると定義される。

環境には意味や価値が内在しており、生体が探求する事でその価値を獲得する、という事。

その意味が生体(行為者)に何かを促す、という意味ではない。
しかし、近年のデザインにおいて「行為を促す表現」が「・・をアフォードしている」というように使用されることが多い。

例えばドアノブがあれば、行為者は説明なしに、ドアノブを掴んでドアを開けられることを理解し、ドアを開けられるのだが、これを「ドアノブがドアを開けることをアフォードしている」というような表現は本来のアフォーダンスからすれば誤用である。

ドアノブに「ドアを開ける」という価値が内在していることと、行為を促すことは全くの別物である。

とはいえ、そう考えてしまうことも分からなくもない。
単に自分の整理のためのメモ。